本格RPA導入の前に試すべきこと
高額なRPAツールを入れる前に、既製の連携サービスや表計算の機能だけで足りる場面は少なくありません。受託の現場で見てきた「RPAが要る場合・要らない場合」の見分け方を整理しました。
本格的なRPAツールを導入する前に、まずZapierやGoogleのアプリスクリプトのような連携サービス、表計算の関数・マクロで目的が達成できるか試すことをお勧めします。費用も保守の手間も小さく、多くの相談はこれで足りると感じています。RPAが本来の出番になるのは、対象システムに手を入れられず画面操作の再現が避けられない場合に限られます。
私たちはWebサイトの受託制作・保守を軸に、中小企業のIT化に関わってきました。この記事は、業務自動化の相談を受ける中で整理してきた、RPAが要る場合と要らない場合の見分け方の記録です。
🔍まず「連携」の問題か「作業」の問題かを分ける
解決したいのが複数サービス間のデータ連携なのか、単純な繰り返し作業なのかで、必要な手段は変わります。
「フォームの回答をスプレッドシートに転記している」「問い合わせが来たら通知したい」といった、決まったサービス同士のデータの受け渡しであれば、ZapierやGoogleのアプリスクリプトのような連携サービスで、多くの場合は十分に対応できます。一方で、既存の業務システムの画面を人が操作する手順そのものを自動で再現したい、という場合は、RPAツールが本来の出番になります。相談の多くは、実は前者(連携の問題)で、後者(画面操作の自動化)まで必要なケースは限られると感じています。
⚖️本格RPAが向くのは「対象システムに手を入れられない」場合
画面操作の自動化が本当に必要になるのは、対象のシステムを変更できない事情がある時です。
古い業務システムでAPIが用意されていない、システムの改修に大きな費用と時間がかかる、といった事情で「画面を人が操作する形でしか連携できない」場合は、RPAツールで画面操作を自動化する価値があります。逆に、連携先のサービスがAPIやZapier等の連携機能を持っているなら、画面操作を再現するRPAより、連携サービスのほうが設定も保守もシンプルに済むことが多いです。
🛠️軽い手段から試して、足りなければ本格導入を検討する
いきなり本格的な仕組みを入れるより、軽い手段で試してから判断するほうが、無駄な投資を避けられます。
私たちが相談を受けた際にまず提案するのは、連携サービスや表計算の関数・マクロで、目的の作業がどこまで代替できるかを一度試してみることです。それで十分な効果が出るなら、高額なRPAツールを導入する必要はありません。試してみて明確に力不足だと分かった時に、初めて本格的なRPA導入を検討する、という順番のほうが、投資として無理がないと考えています。
🧭まとめ: 道具の大きさは、問題の大きさに合わせる
整理します。①解決したいのが連携の問題か画面操作の問題かを先に分ける②本格RPAが向くのは対象システムに手を入れられない場合③軽い連携サービスや表計算機能から試して、足りなければ本格導入を検討する。
高額なツールを入れることが自動化の目的ではなく、問題の大きさに見合った道具を選ぶことが、結果的に無理のない投資につながると考えています。
📚参考・出典
- IPA: DX白書(国内外の企業のDXへの取組状況を戦略・人材・技術の観点から調査した刊行物)
- 総務省: 情報通信白書(情報通信分野の動向と統計データを総務省情報通信政策研究所がまとめている白書)
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