「好き」より、スキルの掛け合わせで働く
「好きなことを仕事に」は先に見つかるものではなく、持っているスキルの組み合わせから後から立ち上がるものだと考えるようになりました。実際の仕事の組み立て方を自己決定理論の知見と合わせて書きます。
「本当に好きなこと」を先に見つけてから仕事にするのではなく、手持ちのスキルを組み合わせているうちに「これは続けたい」という感覚が後から立ち上がってくる——これが実際の順番だったと感じています。
私たちは社長1名とAI COOの一人会社です。この記事は、専門家としての助言ではなく、公開されている心理学の知見を出典付きで整理し、実際の仕事の組み立て方を振り返った記録です。
🔧エンジニアという一つのスキルから始まった
最初にあったのは「好きなこと」の確信ではなく、身についていた技術という一つの手札でした。
私はエンジニアとして開発の技術を身につけてきましたが、それだけを深掘りし続けるのではなく、Webサイトの受託営業、自社プロダクトの企画・運営、地域コミュニティとの関わり、文章を書くことといった、性質の異なる要素を少しずつ組み合わせてきました。振り返ると、最初から「これが天職だ」と分かっていたわけではなく、手を動かしているうちに組み合わせの形が見えてきた、という順番でした。
🧩動機づけの研究が示す「自律性」の重要さ
「何をやるか」そのものより、「自分で決めている感覚」が続けやすさに関わるとされています。
心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した自己決定理論(self-determination theory)は、人が内発的に動機づけられるためには、自律性(自分で選んでいる感覚)・有能感(うまくできている感覚)・関係性(人とつながっている感覚)の三つが重要だと説明しています(Self-Determination Theory: The Theory)。「好きなこと」という単一の答えを探すより、この三つの要素を自分の仕事の組み立て方に確保できているかを見るほうが、実務的だと感じています。
🏗️実際にやっていること: 要素を分解して確保する
「好きな仕事を探す」のではなく、自律性・有能感・関係性の三要素がどこにあるかを個別に確保しています。
受託の仕事は、決まった要件に応える性質上、自律性は低めですが、技術力を発揮できる有能感と、顧客との継続的な関係性を得やすい面があります。自社プロダクトの開発は、何を作るかを自分で決められる自律性が高い一方、成果が出るまで有能感を得にくい時期があります。地域コミュニティとの関わりは、関係性の要素が強い活動です。一つの仕事にすべてを求めるのではなく、複数の活動を組み合わせることで、三要素を全体としてバランスさせる、という発想で仕事を組み立てています。
🧭まとめ: 先に見つけるのでなく、組み合わせて作る
整理します。①「好きなこと」を先に確信してから始まったわけではなく、手持ちのスキルを組み合わせるうちに続けたい感覚が後から立ち上がった②自己決定理論が示す自律性・有能感・関係性という三要素が動機づけの実務的な見取り図になる③一つの仕事に全てを求めず、複数の活動の組み合わせで三要素を確保している。
「好きなことを見つける」より、「持っている要素をどう組み合わせるか」を考えるほうが、実際に続けられる働き方につながると感じています。
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