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業務に名前をつけると、回り出す

同じ作業でも、名前がつくと不思議と続きます。うちがスタンドアップやスイープ、ゲートといった呼び名で業務を定着させてきた実例から、命名が習慣を生む仕組みを、実運用で書きます。

同じ作業でも、名前がつくと続く。名前がないと、いつのまにか消える。何度もそれを見てきました。

うちは社長 1 名と、COO 役の AI(Claude Code)だけの一人会社です。 仕組みづくりが好きなわりに、続かないものも山ほどありました。

続いたものと、消えたもの。振り返ると、境目のひとつが「名前がついているかどうか」でした。

なぜ名前をつけると回り出すのか。うちの実例と合わせて、書きます。

🏷️名前のない作業は、忘れられる

「あれ、やっておいて」で回そうとすると、その「あれ」は、やがて誰の頭からも消えます。

名前がない作業は、指すのが難しい。 「例のあれ、やった?」としか言えないと、話すたびに説明が要るし、 うっかり抜けても気づけません。呼べないものは、管理できないのだと思います。

AI に仕事を任せていると、これが一段はっきりします。 あいまいな指示は、あいまいなまま実行されるからです。 「毎朝、状況を整理して」ではなく、 名前のついた決まった段取りにしておくと、人にも AI にも、同じように渡せる。 名前は、渡すための取っ手なのだと感じています。

逆に言うと、続けたい作業ほど、まず名前をつける。 うちで習慣として根づいたものは、たいてい、どこかで名前がついた瞬間から回り始めました。

📛うちで根づいた呼び名たち

スタンドアップ、スイープ、ゲート、ADR。呼び名がついた作業だけが、生き残りました。

実際にうちで定着した呼び名を、いくつか挙げます。 朝に進捗と予定を整理するスタンドアップ。 やり残しの定期タスクを一気にさらうスイープ。 公開前に品質の合否を機械で判定するゲート。 そして、重要な決定と理由を残すADR(意思決定の記録)

面白いのは、名前がつく前は、どれも「なんとなくやること」だった点です。 スイープという言葉ができてから、「今日はまだスイープしていない」と欠けに気づけるようになった。 名前が、やった/やっていないの線を引いてくれるんです。

こうした呼び名は、うちが一人会社を AI と回すなかで、 一つずつ手作りしてきたものです。 借り物ではなく、自分たちの現場に合わせて名づけている。 だからこそ、社長と AI のあいだで、同じ言葉が同じ意味で通じます。

名前がつくと、その作業を後から改善しやすくなるのも大きい。 「スイープのやり方を変えよう」と、対象がはっきり指せるからです。 名前のない作業は、直そうにも、どこを直すのかが曖昧なまま流れていく。 呼べるようになって初めて、その作業は「育てられる対象」になります。

🤝名前は、共通言語になる

一言で意図が伝わる呼び名があると、やり取りが短くなり、認識のズレも減ります。

名前のもう一つの効き目は、会話が短くなることです。 「スタンドアップして」と言えば、何をどの順でやるかまで含めて伝わる。 毎回、手順を説明し直さずに済みます。一語で、段取りごと渡せるようになるわけです。

チーム全員が同じ言葉を同じ意味で使う、という考え方は、 ソフトウェア設計でも大事にされてきました。 いわゆるユビキタス言語(関係者で共有する統一した言葉)の発想です。 うちは社長と AI という、たった二者のチームですが、 同じ言葉を共有しておく価値は、規模が小さくても変わりませんでした。

むしろ一人会社では、この共通言語が自分と未来の自分をつなぎます。 数か月前に決めた段取りも、名前で呼べれば、すぐ思い出して呼び戻せる。 名前は、記憶のしおりにもなります。

✏️いい名前のつけ方

短く・動作がわかり・口に出しやすい。この 3 つを満たすと、名前は自然に使われます。

名前ならなんでもいい、わけではありません。 うちが意識しているのは 3 つです。短いこと(長い名前は使われない)。動作が浮かぶこと(「スイープ=さらう」のように、何をするかが見える)。口に出しやすいこと(呼びにくい名前は、結局あだ名に負けます)。

完璧な名前を最初から狙う必要はありません。 まず仮の名前で呼び始めて、 しっくりこなければ後で変える。 大事なのは、名前がない状態を放置しないことのほうです。

🧭今週、ひとつだけ名づけてみる

続けたいのに続かない作業を、ひとつ思い浮かべて、名前をつけてみる。

まとめると、うちの実感はこうです。 続けたい作業には、まず名前をつける。 短く、動作がわかり、口に出しやすい名前を。 名前がつくと、指せるようになり、欠けに気づけるようになり、一語で渡せるようになる。 仕組みが回り出すのは、たいていその後でした。

あなたにも、「続けたいのに、なぜか続かない作業」がありませんか。 もしあるなら――今週、それにひとつ名前をつけてみてください。 呼べるようになった作業は、驚くほど、忘れなくなります。

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