i-Willink
|実践|✍️ i-Willink

一人会社のWordPress受託、価格をどう決めているか

月20〜40万円のWordPress受託で、工数と手離れの良さからどう見積もり、口頭受注で提案書を省いているか。営業をかけない一人会社の値付けの考え方を実例で整理します。

受託の値付けで私たちがいちばん見ているのは、作業量そのものより「手離れの良さ」です。

私たちは社長ひとり+AIを実務担当(COO)として会社を回している一人会社です。自社プロダクトの開発と並行して、WordPressを使ったサイト制作・運用の受託を続けています。制作系の受託でいつも悩ましいのが値付けです。相場表があるわけでもなく、同じ「サイト一式」でも中身は案件ごとにまるで違うからです。

この記事では、営業をかけない一人会社が、どういう考え方で見積もりを出し、なぜ提案書を作らずに口頭で受けているのかを、実際の運用にそって整理します。数字を約束しないという線引きも含めて書きます。

🧱値付けの土台は「工数」と「手離れ」

見積もりの出発点は、ごくまっとうに工数です。要件を聞いて、設計・実装・確認・修正にどれくらい自分の時間が溶けるかを見積もります。ここまでは誰でもやることだと思います。

私たちがもう一段重く見ているのが手離れの良さです。納品して終わりではなく、そのあと問い合わせ対応や小さな修正がどれくらい発生しそうか。更新が担当者だけで回るか、それとも毎回こちらに連絡が来る作りになるか。運用フェーズで自分の時間を細く長く奪う案件ほど、見積もりでは重くします。一人会社にとって、いちばん希少な資源は自分の時間だからです。

🤝提案書を作らない——口頭受注という選び方

私たちの受託は、ほとんどが既存の取引先や紹介からの口頭受注です。立派な提案書は作りません。理由は単純で、提案書の作成そのものが手離れの悪い工数だからです。

提案書は、相手がまだこちらを信用しきれていないときに、信頼の代わりとして機能する書類だと考えています。逆に言えば、すでに一緒に仕事をした相手や、信頼できる人からの紹介であれば、その書類は要りません。要件と金額感を口頭ですり合わせ、認識だけメールやチャットに一行残しておく。それで十分に回っています。提案書を書く時間を、実際の制作や自社プロダクトに回せるのは、一人会社にとって地味に大きい差です。

💰月20〜40万円という帯に落ち着く理由

実際に受けている案件は、規模や運用の重さによって幅はあるものの、おおむね月20〜40万円ほどの帯に収まっています。この価格帯は、狙って設定したというより、工数と手離れの良さで一つずつ見積もった結果として、自然にそこへ落ち着いたという感覚です。

現在は複数のサイト(5サイトほど)を並行して見ています。ここで大事にしているのは、単発の制作費で大きく取ることより、無理なく続けられる帯に収めることです。安すぎれば運用の手間で赤字に近づき、高すぎれば期待値が上がって手離れが悪くなる。自分ひとりで面倒を見きれる範囲の内側に、価格と件数の両方を置いておく——それが結果として続けやすい水準になっています。

🚪営業をかけない、の意味

私たちは受託の新規営業を積極的にはかけていません。これは「仕事を選ばない」という話ではなく、むしろ逆です。営業をかけないぶん、受ける相手は既存の信頼関係や紹介の範囲に限られます。素性の分かる相手としか組まないので、要件の食い違いや支払いのトラブルが起きにくく、これも手離れの良さにつながります。

一人会社にとって、合わない案件を一件抱えることの機会損失はかなり大きいです。だからこそ、間口を広げて数を追うより、相性の分かっている相手と細く長く続けるほうを選んでいます。新規開拓の労力を、自社プロダクトの成長という別のレバーに振り向けている、とも言えます。

⚖️数字を約束しない、という線引き

値付けや提案の場面で私たちが意識的に避けているのが、成果の数字を約束することです。「アクセスが必ず増えます」「売上が上がります」といった保証は口にしません。サイトの出来と事業の成果のあいだには、こちらでコントロールできない要素がいくつも挟まるからです。

これは景品表示法への配慮でもありますが、それ以上に、守れない約束をしないという信頼の問題だと考えています。できることとできないことを最初にはっきり伝えるほうが、結果として長い付き合いになります。私たちが提示するのは「この工数でこの範囲を、この品質で作って運用します」という約束であって、その先の成果そのものではありません。

🧭まとめ: 値付けは「続けられる形」から逆算する

一人会社の受託の値付けは、相場に合わせる作業というより、自分がその案件を続けられる形から逆算する作業です。工数を見積もり、手離れの良さを重く見て、信頼できる相手と口頭で受ける。営業をかけず、数字を約束しない。こうした一つひとつの選択の積み重ねが、結果として無理のない価格帯に落ち着かせてくれます。

高く取ることより、長く続けられること。一人で回す規模だからこそ、値付けは事業を守る設計そのものだと感じています。同じように少人数で受託をしている方の、値付けを考え直すきっかけになればうれしいです。

開発パートナーを探していますか?

AIでプロダクトを最速で形にしませんか?

最短1週間でMVPを開発。アイデアの検証から本番リリースまで、i-Willinkがフルサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

無料で相談する

最新記事をメールで受け取る